School Topics

2024.01.25

高2 世界史探究 認識から判断へ

世界史探究の授業では、生徒たちの価値判断を促すことに留意しておこなってます。そこで、授業で行った議論の一例を紹介。

第11章のタイトルにもある「大交易時代」はいかにも世界史的な内容でしたね。
「世界全体を俯瞰する」このような視点をもって歴史の動きを見ていくことは、難しくもあり、面白くもあります。これは、世界史独特の見方・考え方ともいえるでしょう。
さて、「大航海時代」という用語は議論の対象となり、教科書でも「大交易時代」などの言葉に置き換わって表記されるようになってきました。理由のひとつに「大航海時代」という用語は「ヨーロッパ中心史観」であるという批判があることは紹介しました。なるほどそういった意味では「大交易時代」とはこの時代の世界の動きを全体的に捉えているネーミングであることは認めましょう。

ならば、逆に…あえて
「東アジア中心史観」という立場でふさわしいネーミングを考えてみませんか。
当時の特徴と絡めた理由も付して説明してください。

後日、生徒たちから上がってきたネーミングのリストを共有しました。この時代の特徴をとらえ、分析し、きちんと理由をつけてコメントできるのは素晴らしいと思います。歴史を主体的にとらえて、自分なりに歴史像を形づくる作業は、単なる受け身で歴史を覚える作業よりよほど意味があります。「覚える」から「理解する」へ、学習のシフトがうまくいっている人が多いことが再確認できました。

以下の文は授業担当による全体に向けてのフィードバックです。どんなネーミングがあったと思いますか?
「さて、以下の結果となりましたが、敢えての「大航海時代」「大交易時代」ってのがありました。フムフム。その発想に感心です。「大海賊時代」。おー、ふざけてないね。ちゃんと時代の特徴をとらえているね。「海禁」「混乱」「停滞」「大成長」「大進化」…枚挙にきりがありません。どの発想も優劣はありません。すべて僕にとっても勉強させてもらうネタとなります。すべてのアイデアにコメントできなくてごめんなさいね。」