校長ブログ

校長 木内 淳詞 Junji Kiuchi

2020.06.29

誕生日を迎えるということ

 今日は東京まで出張に出かけていますので、学校ネタがありません。少し個人的なことを。
 私は6月生まれで、今月56回目の誕生日を迎えました。磯野浪平の年を超え、還暦までまた一歩近づいたのかと思うと、誕生日を迎えることをあまり肯定的に捉えがたい面もあります。
 私が大学を卒業してすぐに追手門学院で働き始めたとき、職員室の隣の席が英語科の先輩教員、松田先生でした。休肝日なし、というお酒がとてもお好きな先生でしたが、席が隣であるということもあり、色々なことを教えていただきました。松田流、閻魔帳の作り方も、お洒落についての考え方も。その中で、今でも印象に残っているのは、先生が「俺は、はやく40歳になりたかったんや」と仰っていたことです。当時の私はまだ22歳、40歳なんて正直、自分がそこまで到達することを想像もできない年齢でした。はやく年を取りたいという発想など、私の中には全くありませんでした。
 ところが、自分が40歳を超え、生活していたある時、ふと松田先生の言葉が蘇ってきました。40歳代ってそんなに面白いのかなあ、と考えてしばらくすると、意外と自分が40歳代の生活を楽しんでいることに気づきました。もちろん、仕事は本当に大変で、仕事を楽しむと言えるほど余裕もなく、日々、辛い思いもしていたはずです。ただ、若かったころと比べると、40歳代の自分は色々な意味で人として成熟してきたと実感できる面があり、また、様々なタイプの人と関係を築いていくことができるようになっていました。また、同級生たちとも「出会いなおし」の機会を持つことができ、年を取ったことに対して肯定的な気持ちを持つようにもなりました。
 6月の誕生日にもたくさんの方々からお祝いのメッセージをいただき、ここまで生きられたことに感謝する気持ちを新たにいたしました。
 写真は、今年の三室戸寺の紫陽花です。