スポーツコース「海外研修」
クロストーク

  • アメリカンフットボール部顧問
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スポーツコースは強化部の初めての海外研修旅行を実施し、アメリカンフットボール部ではアメリカのフロリダ州にある世界最大級の全寮制スポーツ育成機関である「IMGアカデミー」という私立学校に遠征してきました。
そこで、顧問の先生と部員の皆さんにクロストークを通して研修旅行について語ってもらいました。

Q. 海外研修旅行ということですが、どういった内容ですか?

2月末に強化指定部の3クラブがそれぞれ別方面に出発し、アメリカンフットボール部では6泊8日のフロリダ研修旅行に行ってきました。今回の研修旅行はフットボールキャンプという名目でして、生徒たちの動機づけが高く、通常の語学・文化研修より一段深い学びがあると考えています。訪問先のIMGはスポーツ特化のアメリカ私立教育機関で4学年が在籍し、テニスやアメリカンフットボール、サッカー、陸上、ゴルフなど多種にわたる競技のアスリートの育成を行っています。通常の単位取得と並行してクラブ活動を高度に行う環境が整備されているのが最大の特徴です。施設規模が非常に大きく、敷地内の移動にカートが用いられるほどのな広さを誇っています。

Q. 旅程について教えてください。

夜間到着・夜間出発のスケジュールで実質の活動期間は5日間でした。現地での練習や参加するプログラムは事前に要望を提出し、可能な限り多くのことを体験できるようにお願いしていました。5日間はすべて練習中心で、午前は個人スキル向上、午後はチーム練習及びフィードバックといった練習プログラムです。午前午後とも2時間のセッションとなっており、時間管理が厳格で練習密度が高く、だらだらせず集中して取り組める設計になっていました。練習以外の時間には施設見学や、現地の講師にチームスポーツにおけるメンタルケアの講義を受講するなどすることができました。

Q. 部員の皆さんにお伺いします。研修旅行に行く前のイメージや意気込みについて教えてください。

事前調べはしていましたが初の試みでもあるので、あまり実感がなかった、という気持ちが正直なところです。IMGはスポーツの名門校として有名ですし、設備は整っていて選手のレベルは高いだろうという漠然とした印象はありました。フットボールに関わる人の規模が違うこともある程度イメージできていました。しかし、それ以上はわからないことも多かったので、行ってみてその場で向こうの練習にどんどん入っていくことで、吸収できるものを最大限持って帰りたいと考えていました。

IMGは学校でもあるので、そこでの教育内容にも興味を持っていました。IMGの選手は、身体能力も相当高いだろうと思っていました。何を吸収できるのか、楽しみでありつつ、自分の想像が的を射ているのかもわからないまま、出国しました。

中学時代の先輩にIMGに行っていた方がいるので、話を聞かせてもらうことはありました。体格やスキルレベルの違いといった話題もあったので、実際どの程度なのか、期待と不安が入り交じった感じでした。

Q. ありがとうございます。前例がないので行ってみないとわからない部分は多いですよね。では、実際に現地に赴いて練習に参加してみていかがでしたか?

選手の意識の高さやメンタル面、設備や練習内容など充実した環境が印象的でした。特に、オンとオフの切り替えがはっきりしていて、練習が始まると空気感がガラッと変わりました。

自分と同体格の選手でもフィジカルが圧倒的に強かったり、同学年で非常に体格の良い選手もいたりして、体格差は痛感しました。それにチームメイトを鼓舞する声掛けや選手同士でアドバイスし合っていて本気度が伝わってきました。

メンタル講義では、ミスした際の気持ちの切り替えの早さや「やられたらやり返す」という強い精神力が大切だと改めて感じました。チームメイトとの助け合いや絆を大事にする「Brotherhood」も強く印象に残っています。

とにかく施設の多さと大きさに圧倒されました。想像以上でした。ジムの設備やスケールが本当に凄くて、「スポーツが上手くなること」に特化した場所だと感じました。私は、クォーターバックというボールを投げるポジションなのですが、自分のデータを出してもらい、それをもとに体の使い方や体重移動の方法や速度など細部までコーチに指導してもらいました。

一番印象に残っていることは、ディフェンスラインのパート練習に一緒に交じって参加したことです。最初は見学のつもりで練習を観ていたのですが、選手から「一緒にやろう」と誘われて一緒に練習させてもらいました。今までに経験したことのない練習方法を学べ、IMGの選手とコミュニケーションが取れたことは貴重な体験でした。私はディフェンスラインのパートリーダーなので、研修で得た知識を活かして、新たな練習内容を提案してスキル向上につなげられていると感じます。

アスリートを本気で育成する学校を訪れ、本物に触れた気がしました。

練習で印象的だったのは、コーチ陣のモチベーティングです。常に選手に働きかける姿勢は、日本ではあまり見られないので印象的でした。また、ポジション練習では、何度も「やり直し」が行われていることが印象的でした。これは悪い印象ではなく、基本的な動きをうまくできなかった選手が、その動きをできるまでコーチ陣が徹底して関わる姿勢であるように見えました。基本的な動きを全員が同じようにできるように徹底する、IMGが大切にしていることであると感じました。「基本の徹底」は日本でも大切にされますが、練習で体現しているのを見てインパクトがありました。

練習や施設はもちろんのこと、選手が食事をとるカフェでは、自分で取るバイキングの形式で、各メニューの栄養が明記されており、栄養管理も徹底されていました。

Q. フリータイムはどのように過ごしていましたか?

施設内にさまざまなフリースペースがありました。バスケットボールコートやビーチバレーのコートなどがあったので、皆で他のスポーツを楽しんだりして過ごしていました。

IMG内にあるショッピングセンターにも行きました。

バレーをしたり、サッカーのボードゲームをしたり、卓球をしたりしていました。昼はハンバーガーショップに行って現地の生徒たちとランチを取りました。ニックネームとかつけてもらって楽しかったです。

Q. 研修を経て自分自身で変化したと思う部分があれば教えてください。

練習設計の自律性が上がったように思います。練習メニュー構成もそうですし、後輩と色んなメニューを試しています。現地でしたアップのストレッチも続けています。体の使い方や体重移動への意識は高まったと思います。

以前よりも積極的に学ぼうとする意識が強くなったと思います。スキル面では、短期間だったので目に見える変化は少ないと思いますが、体格とスピードを備えた選手たちを目の当たりにしてレベルの違いを肌で感じたので、チームとして危機感を持てたと思います。今後は、現地でのメリハリある練習態度を取り入れ、オンオフの切り替えと集中度を高めていきたいです。だらだらしない時間管理の重要性を体感したので、チームにも還元したいです。

自分でメニューを決める際のレパートリーが増え、質の高い自己練習が可能になりました。チームの練習スタイルも多少変わったと思いますが、部員一人ひとりのチームへの考え方、チームとして「勝ちにいく」という意識の部分が何より変わった部分だと感じます。IMGのコーチの細部までこだわった練習メニューや取り組みの意識、チームへの考え方など教えてもらったことを活かしていきたいです。

今回、初めて海外研修を実施しましたが、とても充実した時間でした。研修期間中はフットボールを通じて濃い時間を過ごしたので、生徒にとって刺激になったと思います。全米でもトップクラスの同世代の選手とともに練習できた経験は大きな財産になりますし、研修中に何とか英語を使ってコミュニケーションをとったことも生徒たちにとって貴重な経験になったと思います。生徒が主体的に学びに向かう姿勢が、研修期間中にたくさん見られたので、教員としてもうれしく感じています。

IMGでの経験や学びを行動に移せるか、チームの文化として変化につなげられるかは、今後の様子を見たいと思います。

普段と異なる環境は、自分自身の考えや価値観に影響を与えるほどの大きな財産になる可能性を秘めています。「追手門から世界へ」というスポーツコースが掲げるスローガンのごとく、選手としてはもちろんですが、今回の経験を糧にさまざまな形で世界へ進出し、活躍してほしいと思っています。

本日はありがとうございました。