TAKAGISOTA TAKAGISOTA

探究科 高木草太

SCROLL

TEACHER

2020.07.20UP

1人の人間として、互いに認め合い、生徒たちが自主的に学びをつくり出せる空間を。

PROFILE

高木草太 探究科

  • 出身

    兵庫県明石市、ベルギー

  • お気に入り

    お好み焼き、揚げ出し豆腐、東南アジアの湿気や活気

  • 授業でもっとも大切にしていること

    チャレンジできる空間づくり

Theme1

オプションを広げつづけた人生。
「教育」が、少しずつ、確信へ。

僕は生まれてから9歳までをベルギーで過ごし、その後の2年間を日本で、さらにマレーシアで4年、再帰国して、高校は日本にあるインターナショナルスクールに通います。そして、大学と大学院はオーストラリア。だから、日本にいる期間は、人生の半分に満たず、教師でありながら、日本の学校にある一般的な文化や風土、受験における内実などは、ほぼ知りませんでした。また、学生時代に漢字を書く機会がなかったので、今でもあまり書けないんですよ(笑)

振り返ってみると、僕の人生は、ずっと“オプション”を広げつづける生き方をしてきましたね。いろいろと選択肢を持っていれば、いつかやりたいことが見つかるだろうと思っていたからです。しかし、結局やりたいことは見つからず、卒業後のイメージもできないまま。そんな中で、オーストラリアの大学では、教員免許を取得することを決意しました。その後、縁あって、日本の学校で働くようになり、少しずつ「この仕事、教育という分野が自分に合っている」と、確信していったような気がします。やはり、生徒たちに変化が生まれていくのを間近で見られるのは、とても贅沢なことですよね。

日本に帰国して、私立高校で数学を、公立高校で英語を教えた後、『タクトピア』という民間企業で、主に中高生に向けたプロジェクト型の教育プログラムを提供する仕事をします。そこでは、アントレプレナーシップ、つまり“起業家精神”というコンセプトのもと、問題解決能力の醸成や、いかに世の中に貢献していくか、さらに「自分にはクリエイティビティがあるんだ」という自信を持ってもらうための教育プログラムなどをデザインしていました。教育機関だけでなく、企業向けのセミナーなどもやっていましたよ。そして昨年、公立高校時代の同僚だった、探究科の主任である池谷陽平先生からの熱心なお誘いをいただき、また探究という興味深い取り組みが始まることなどから、追手門で働くことを決めました。

生徒たちに変化が生まれていくのを
間近で見られるのは、
とても贅沢なこと。

Theme2

果たしてこの時間は、誰のもの?
二度と戻らない50分を、価値あるものに。

今は、探究科で実践しようとしている学習スタイルの重要性を、強くアピールしていかないといけないタイミング。もちろんこれだけが正しいわけではないし、その「これだけが正しいわけではない」という事実も、きちんと伝わっていると思います。しかし問題は「結局、大事なのは受験でしょ?」「なんだかんだ言っても、知識を詰め込むのが大切なんでしょ?」という考え方が根付きすぎているということなんです。探究の授業で養えるのが、大学入学以降に非常に役に立つスキルだとしても、現実として、先に大学入試が来てしまう。そこは難しいところです。とはいえ、当たり前ですが、一般企業の採用面接で「センター試験は何点でしたか?」なんて聞かれることはありません。だからこそ、高校時代という、本当に様々なことを吸収できる時期に、何を学ぶべきかを、みんなが多角的に考えていけるといいですね。

僕が授業の中で意識しているのは、先生が与え、それを生徒が受け取るというスタイルではなく、生徒自身が自発的にチャレンジし、学びをつくり出すための空間づくりです。そもそも授業の50分間というのは、先生のものではなく、生徒たちのもの。その意識を持てば、生徒たちも「二度と帰ってくることのない、かけがえのない自分の50分が、これでいいのか?」と考えるようになり、授業の中での自分の学びをもっと大切にします。逆に「先生のもの」と考えてしまうと、置物のように座っているだけで、適当に50分を過ごしてしまいますよね。

また、その50分ができるだけ価値のある時間となるように、僕は生徒たちに対して「どうしてほしい?」と正直にニーズを聞きます。こっちはエスパーではないので、「察してください」とか「先生なら分かるでしょ?」とかはやめてほしい。そもそも先生というのは、とても変な存在。例えば学校の外のスーパーなどで生徒と会うと、「えー!?」みたいな感じで驚かれます。先生だってみんなと同じように、普通に生活しているということが、想像しづらいんでしょうね。生徒からしたら、“学校に住んでいる謎の生き物”ですから(笑)。僕はそういうおかしな関係性はなくして、お互いに1人の人間であることを認め合い、一緒に学び合う空間を作りたい。それさえ構築できれば、その空間に“先生”なんていらなくなると思っていますよ。

様々なことを吸収できる
高校時代に何を学ぶべきかを、
多角的に考えていきたい。

PAST 過去

落ち着きのない子どもだったのは覚えています。よく迷子になっていました。街の大規模イベント会場で迷子になったときに席を1段目から虱潰しに這いずり回り自力で家族を見つけたことを鮮明に覚えています。「いいよ」が口癖なほど、物には執着があまりなかったと思います。小学2年生のときの将来の夢は「普通の人」になること(笑)

PRESENT 現在

2020.06.19

FUTURE 未来

どこにいるんでしょう? Take it easyな人生で自分が楽しいと思えるチャレンジを続けていると思います。どこにいても「自分」でいられる!そんな気がしています。

FAVORITES

『まんが日本昔ばなし』

ベルギーに住んでいた幼少期に、家にずらっと並んでいました。含蓄がある話が多く、今となっては、あの物語たちが、海外に住んでいた自分と日本とをつないでくれているように思えます。

MY ITEM

体験

これが自分を形作っていて、アイデンティティとなっています。特に、海外生活が長かったからこそ、「日本人である」という意識は、人一倍強いんじゃないかな。

VOICE

01

教育業界のココを変えたい!

教育業界は常に変化しています。それは生徒を見ていればすぐ実感できること。本来なら「改革、改革!」と大声を挙げる必要はないはずです。目の前の生徒のこと、しっかりと見えていますか?

02

追手門学院中・高等学校にコレを導入したい!

3年生が、1年間をかけて取り組む「卒業プロジェクト」を導入するのもいいですね。何をするかは自由。僕が高3の時にはあったんです。それを海外の大学への受験にも使えました。

03

生徒や保護者のみなさまに言いたい!

生徒は、自分自身のことを信じよう。そしてご両親は、お子さんのことを、信じてください。それに尽きます。

RANKING

  • WEEKLY
  • MONTHLY