YAZAKIYUMIKO YAZAKIYUMIKO

美術科 矢﨑友美子

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TEACHER

2021.02.26UP

技術だけにとらわれず、モノづくりを通して“胸熱な体験”を。

PROFILE

矢﨑友美子 美術科/探究科

  • 出身

    大阪府茨木市

  • お気に入り

    海外旅行、ホワイトビーチ、半跏思惟像

  • 授業でもっとも大切にしていること

    胸熱な体験

Theme1

社会人を経験した後、母校へ。
生徒と同じ目線で、信頼を構築したい。

私は幼い頃から絵を描くのが大好きな子どもでした。とはいえ学生時代に美術やアートを仕事にしようと思ったことは一度もありません。今へとつながるきっかけとなったのは、高校3年生の進路相談の場。そこで先生から「絵を続けたいなら、その一つの方法として……」と、大阪教育大学を教えてもらいます。そしてその高校とは、まさにココ。そう、私は追手門の卒業生なんです(笑)。無事に進学しましたが「絵を続けたい」という気持ちだけで選んだ道なので、その時点でもまだ教師になるなんて想像もしていません。また教職過程の講義を受けていても「やっぱり教師には向いていない」という気持ちが大きくなっていくばかり。しかしその思いが一転したのは、教育実習で母校である追手門に訪れたときです。私が説明することに対して、熱心にリアクションをくれる生徒たちと過ごす中で、この学校の教師になり、生徒たちと一緒になって学んだり何かをつくったりしたいという気持ちが芽生えました。

ただ私は大学を卒業した後すぐに教師にはならず一般企業に就職しています。その理由は大きく2つ。1つ目は「教師をするなら追手門」と決めていて、私が卒業したタイミングでは採用募集がなかったこと。そして2つ目は「学校」というコミュニティしか知らない状態で生徒に接することに疑問があったから。やはりこれから社会に出ていく生徒たちに対して、自分自身が就職活動をしたり一般企業に勤めたりした経験をもとに現実的なアドバイスをしてあげたいという思いがあったんです。そして会社員になってから1年が経とうしている時期に、恩師の先生から「美術教師の募集がある」と声をかけていただき、採用試験を受けることを決意。2019年度から先生として母校に戻ってくるとなりました。

生徒と向き合う中で大切にしているのは「どういう先生なら話を聞きたいか」ということ。中学生や高校生って、大人よりも曇りのない目で周りの人のことを観察しています。私自身、自分の学生時代を振り返っても、頭ごなしに意見を押し付けてくる先生の言うことに対しては、聞く耳をもちませんでした。だからまずは、立場は違っていても生徒と同じ目線になり、どこまでも話を聴き、一緒に考えるのが基本だと思っています。生徒も教師も同じ人間。「信頼」という土台はしっかりと構築していきたいですね。

社会に出ていく生徒たちに
自分自身の経験をもとに
現実的なアドバイスをしたい。

Theme2

醍醐味は答えのないことに向き合うこと。
成果物だけでなく、過程を大事に。

私は美術の授業における醍醐味を「答えのないことに向き合うこと」だと考えています。だから「絵の上手さ」で評価されると思われがちな科目ですが、私は一切その基準ではみていません。この学校の美術では、大きく分けて個人制作とチームで取り組む共同制作がありますが、どちらにおいても私が重要視しているのは、出来上がった作品そのものではなくそれぞれの過程。個人制作においては、『作業目標シート』というものをつくって、生徒自身に作業計画や進捗を記入してもらうことで、完成までの工程を共有できるようにしました。それをもとにコミュニケーションを図ることで、私たち教師と会話する回数や密度を格段に高めています。その結果、完成した1枚の絵に対して、どんな考えを持って臨んだのかということや、工夫した点、苦労した点など、さまざまな要素を知ることができるようになりました。やはり正解のない分野なのに、教師の主観に頼り、成果物だけを見て優劣の判断をするなど絶対にしたくないという思いが強いですね。

共同制作ではチームの中に設計を担当するメンバーと作業を中心に行う技術者、さらに全体をまとめるリーダーなど、それぞれに役割を与えます。そしてこちらから「テーマ」と制作にかける期間、寸法、素材などを提示して、いざスタート。例えばテーマが「城」だとすれば、西洋と東洋でカタチがまるっきり違うし、チーム内でのディスカッションの結果「コロッセオを城とする」というのであれば、それでもOKとしています。自分たちでアイデアを出し、行動しなければならない状況で、まずはそれぞれが役割をまっとうする。そしてチームメイトの動きを参考にしたり、逆にそれを見て反省をしたりしながらモノづくりに打ち込む。その中で“胸熱な体験”をしてほしいですね。

探究科のメンバーになったのは着任1年目のこと。おそらく美術の授業で身につけることと、探究の授業で培えるスキルに共通点が多いから声をかけてもらえたんだと思います。例えばどちらにおいても、デザイン思考を重視する点などですね。とはいえ私が学生だった時には経験していない科目なので、生徒たちと一緒に「探究とは?」という基礎となる部分から学んでいきました。しかし実際は「これは簡単ではないな」と痛感するばかり。無意識のうちに大人の感覚が入ってしまい、生徒の目線になることを忘れてしまいます。ただ授業内容や活動方針について他の先生と意見を交わしながら「今の生徒に必要なものは何か」ということを考えていく工程は、科目に関係なく教師として得ることが多いと感じています。また美術は選択科目なので限られた生徒としか関わることができません。探究のおかげでより多くの生徒の考え方や意見、作品に触れられるのでいい刺激になっていますよ。

それぞれが役割をまっとうし、
モノづくりに打ち込む中で、
胸熱な体験をしてほしい。

PAST 過去

3歳から高校まで続けたバレエ。幼少期から高校までの記憶のほとんどがバレエです。とにかく厳しくて辛かった記憶がありますがどれだけ怒られても泣かない子でした(笑)。達成感や表現する楽しさをバレエから学びました。

PRESENT 現在

2021.01.28

FUTURE 未来

楽しみで仕方ありません。今もですが、"今"が一番楽しいので人生の楽しいを更新し続けたいです。

FAVORITES

もののけ姫

まだ幼稚園に行く前、3歳の時初めて映画館で観たもののけ姫は私の創作意欲の原点です。

MY ITEM

Air Foamposite One

いい靴はいい場所に連れて行ってくれる。学生の時、初めて行ったニューヨークで一目惚れしたNIKEのスニーカーです。学生には背伸びした買い物でした(汗)。あの時触れた人やアートやファッションや様々な感覚を呼び起こしてくれる大切なアイテムです。

VOICE

01

教育業界のココを変えたい!

時代に合わせた校則のアップデート。

02

追手門学院中・高等学校にコレを導入したい!

独特な校舎の形を生かして、プロジェクションマッピング。

03

生徒や保護者のみなさまに言いたい!

生徒のみなさん。中・高校生の間に、何かひとつ”本気”になれるものを見つけてください。もし失敗が怖くても、本気の失敗には価値があります。 ご家族の方々には、本気の子ども達をサポートしていただけたらと思います。

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