校長ブログ

校長 木内 淳詞 Junji Kiuchi

2019.05.07

本との偶然な出会い

 エントランスの本棚に、私の好きな長田弘さんの詩集を見つけました。
 1階のフロアは、中学生のフロアなので、比較的読みやすい本が並べてあるのですが、意外と私の愛読書も見つかります。
 この詩集の中の、こんな言葉が、私は好きです。生徒たちも、校舎内で、偶然、知らない本と出会うことのできる幸福を感じてほしいものです。

きみはいつおとなになったんだろう。きみはいまはおとなで、子どもじゃない。子どもじゃないけれども、きみだって、もとは一人の子どもだったのだ。・・・そうしてきみは、きみについてのぜんぶのことを自分で決めなくちゃならなくなっていったのだった。つまり、ほかの誰にも代わってもらえない一人の自分に、きみはなっていった。きみはほかの誰にもならなかった。好きだろうがきらいだろうが、きみという一人の人間にしかなれなかった。そうと知ったとき、そのときだったんだ、そのとき、きみはもう、一人の子どもじゃなくて、一人のおとなになっていたんだ。