校長ブログ

校長 木内 淳詞 Junji Kiuchi

2022.12.02

信じて任せること、サッカー日本代表スペインに勝利

 寒いのが嫌いな私ですが、今日の空気はいつも以上に澄んでいて、とても心地いいです。それは今朝のサッカーの試合の影響で私の心が澄んでいるからなのかもしれません。
 ガンバ大阪のトップチームに昇格するまで本校に在籍していた、サッカー・ワールドカップ日本代表の堂安選手が今日のスペイン戦でもゴールを決め、日本代表チームはグループEの1位で決勝トーナメントに進出を決めました。あっぱれ!×100ぐらいですね。いや、もっとかな。ドイツとスペインの両方に勝つなんて、本当にすごいことをやってのけました。しかし、サッカーというスポーツは本当に怖いスポーツです。何が起こるかわからない。だから、諦めたりせず、試合終了の笛が鳴るまで最善を尽くすことが大切なのですね。
 ところで、今日のブログのタイトルですが、「信じて任せる」というのは、私たちが苫野先生から教えていただいた言葉です。人は工業製品を作るようには作れない、むしろ農作物のようなもので、計画した通りには育たないですね。私たち親や教員は、子どもたちにああだこうだと細かく口や手を出してしまうのですが、それで思った通りに育てば楽なものです。子どもではないし、ましてやそれで生活をしているプロのスポーツ選手にそんな甘いことを言っていいのかというご批判をいただくかもしれませんが、私はこんな風に思います。たとえば、今回のサッカーの日本代表チームの選手は、私たちの大多数ができない力を持っていることを評価され、選ばれて試合に出ています。とはいえ、選手たちも人間だし、いつもとは違うチームで戦いますし、強いチームになるにはそれぞれの選手が成長していくことが必要でしょう。であるならば、日本を代表してくれている選手たちが最高の身体的・精神的なコンディションで試合ができるように支えるのが、それこそ「サポーター」の役目ではないでしょうか。それなのに、ネットをはじめとしたところで、代表選手や監督のことを口汚くののしるようなコメントが投稿されています。人権侵害だと思われるようなものもあります。ののしって子どもたちが成長しないのと同様に、代表選手も叩けば頑張るなんてことはありません。ましてや、試合に敗れて落ち込んでいる人を叩くなんて、転んで倒れている人を足蹴にするのと同じことです。私たちはお互いがやっていることに対して、特に自分にはできないことをやっている人に対して、また自分一人ではできないことについてその一翼を担ってくれている人に対して、感謝の念を伝えたり、応援したりするべきではないでしょうか。子どもに対して、信じて任せて応援する姿勢を持つように。
 ビッグマウスと言われる堂安選手ですが、ひょっとしたら彼だって試合に出たりシュートを打ったりするのが怖いと思うことがあるかもしれません。それに打ち勝つために、意図的にビッグマウスと言われるような言葉を発して、自らを奮い立たせているのかもしれません。これが単なる私の勝手な想像に過ぎないとしても、また、当たっているにしても、いずれにせよ私は堂安選手や他の選手たちに対して、応援する気持ちを表明したいと思います。それは試合に勝とうが負けようが関係ありません。ぼやきたいことがあれば、心の中でぼやけばいい。ネットに暴言を投稿するのではなく、その思いを応援の言葉に変換して投稿したほうが、選手たちのモチベーションも上がってパフォーマンスも向上するのではないでしょうか。それに暴言を投稿すると、やがてその言葉は自分に返ってきて、大きなダメージを負うことになります。私はそう思いますね。
 信じて、任せて、応援しながら待つ。これしかありません。