校長ブログ

校長 木内 淳詞 Junji Kiuchi

2022.09.30

高校2年生II類・表現コミュニケーションコース探究旅行4日目

鹿と猪の革を使ったキーホルダー作り

勝見ノ浦海岸でお弁当。美しいビーチが貸し切りです。ビーチの景色を楽しみながらのお弁当

同じく勝見ノ浦ビーチ

金田城へのトレッキングでガイドの藤川さんの説明を聞く。

金田城に残る、防人が築いた石塁

金田城から望む浅茅湾の眺め

 対馬に渡って2日目。今日は希望のコースに分かれてグループ別行動です。私は午前中が鹿と猪の革を使ったキーホルダー作り。午後は金田城までのトレッキングです。
 まずは、キーホルダー作りですが、そこには対馬における自然界に生きる動物たちと島民の方との戦いの歴史を学ぶという意味もあります。猪は繁殖力が強く、雑食性ですので島内のいろいろなものを食べてしまいます。自然界に天敵となる動物もいないので、対馬だけではなく、困っておられる地域も多いそうです。鹿は、大量の草を食べます。山の中を見ると、森の中の地表に生えている草がことごとく鹿に食べられて、土がむき出しになっているところがあります。森が保水力を失い、海に土が流され、綺麗な海の水が濁り、太陽光線が海中まで届かなくなって海藻などが育たないという状況が生まれています。島民よりも鹿の方が多いという事実だけでは話が終わらないのですね。鹿や猪も私たちと同様、この地球に生まれた命です。その命を奪うだけではなく、有効活用するために、様々なことを考え、行動に移されている方々との出会いがあり、考えるポイントをいただきました。
 金田城へのトレッキングでは、単に山登りをするということではなく、対馬という島と日本の持つ歴史や地理的な大切さ、そして「お隣の」韓国との交流やその意義についても、ガイドさんから簡潔にして詳しいお話を聞くことができました。「防人」という言葉も久しぶりに聞きましたが、教科書に出てくる言葉や文章だけではなく、実際に彼らが築いた石塁を目の前にして、防人たちの過酷な労働状況やその家族の悲しみ・苦しみも想像することができました。浅茅湾の美しい景色の背景に、私たちが知っておくべきことや学ぶべきことがたくさんあることを改めて実感しました。ガイドさんをはじめ、お世話になった皆さまに感謝いたします。