校長ブログ

校長 木内 淳詞 Junji Kiuchi

2021.10.01

『進路の指針』低学年向け刊行

 1学期末に刊行した、高3の生徒・保護者向け『進路の指針』に続いて、高校1・2年生向けに『進路の指針』を刊行しました。刊行にあたって、ということで、冒頭に私の方から挨拶文を掲載してもらいました。高1向けと高2向けをそれぞれ出していますので、冊子に掲載されている文章は、一部手直しをしておりますが、オリジナルの文章をブログに掲載しておきます。

『進路の指針』2021年度版 刊行にあたって

 昨年度の8月に『進路の指針』2020年度版を刊行いたしました。皆さんは目にしていないかもしれませんが、それは、高3の生徒・保護者向けに作られたものでした。そして、今年度も、高3の70期向けに2021年度版を刊行し、さらに少し手を加えて、71期・72期向けにも、この進路の指針を刊行することとなりました。この1年間にわたって、生徒の進路指導に関わってくれた先生方、様々な点で『進路の指針』の刊行のために協力してくれた卒業生の皆さんに感謝の言葉を送りたいと思います。本当にありがとうございました。

さて、高2の皆さんは、大学の入試まで1年と数か月となり、高1の皆さんにはそれに加えてもう1年の期間が残されています。とはいえ、私の経験からすると、1年ないしは2年という年月は、何も考えずに過ごせば、本当に何も得られずに過ぎ去ってしまいます。一方で、強い意志を持って何事かを成し遂げようと思って過ごせば、かなりのことができる期間でもあります。高1の皆さんは、次年度の学びを考えれば、文理選択ということが現在の大きな課題となっているでしょう。高2の皆さんは、まだ具体的な進路を決められていなくても、山に例えればこれぐらいの高さの山に登らねばならいということは理解し、今の自分がいる場所からのギャップを考え、「登山計画」のようなものを具体化して、それに基づいて山登りを始めなければならない時期でしょう。今の自分がいる場所と行きたい場所とのギャップをはっきりとさせるための手段として模擬試験があります。模擬試験をどのような姿勢で受けて、その結果をどのように活用していくか、ということもこの『進路の指針』で学んでください。

「進路の指針」には、多くの数字が記録されています。数字で表すということは、一般化し、抽象化して、ある集団の傾向や性質を理解するためには優れた手段です。偏差値というものも、今のあなたのいる場所を知るための有効な指標になります。しかしながら、偏差値というのは、あなたにこの先もずっと張り付いたままの数値ではありません。その時その時で変化するものであり、予想もしないひどい結果になることも、その逆もあります。「今」のあなたの位置を確かめるための手段として、模試の成績を眺め、どうやったら行きたい場所へ到達できるかを考える手段として『進路の指針』を読み込んでください。進路指導部が様々な工夫をしてまとめられたたくさんのデータから、一人ひとりの先輩の葛藤や努力や悔しさや喜びなどを読み取る眼を持つことで、初めてこの冊子が皆さん自身の「キャリア」を考える指針となり得るのだと思います。この冊子が手あかにまみれるほど読み込んで、有効活用されることを期待しています。