校長ブログ

校長 木内 淳詞 Junji Kiuchi

2021.07.16

2021年度版『進路の指針』完成

 2021年度版の『進路の指針』が出来上がりました。本日、出来立てほやほやの写真です。
 高3の生徒・保護者対象の冊子で、様々な切り口からまとめられています。内容を詳細にわたってお見せすることはできないのですが、私の冒頭の挨拶文だけご紹介します。配布は7月20日の終業式です。

『進路の指針』2021年度版 刊行にあたって

 2020年8月に『進路の指針』2020年度版を刊行いたしました。そして、それから1年が経過し、この2021年度版を刊行することができました。この1年間にわたって、生徒の進路指導に関わってくれた先生方、様々な点で『進路の指針』の刊行のために協力してくれた卒業生の皆さんに感謝の言葉を送りたいと思います。本当にありがとうございました。
 さて、一方で、2020年度に私たちが苦しんだ、新型コロナウイルス感染症の状況は、2021年度に入ってもなかなか収まりません。2020年度に短大に入学した学生は、ついにマスクをしない友達の顔をほとんど見ないで卒業することになりそうです。一生のうちの一番時間的に余裕のある時期を、人とあまり関わらすに過ごさねばならなかった人たちが、将来どのような影響を受けるのか、今の段階では予想もできません。しかしながら、先日の”Connecting to The New World” の講演で、講師の先生の仰っていた言葉を思い出してください。「コロナ禍で不自由な思いをしているだろうが、何でもコロナのせいにしてはいけない」。私の心にも深く刻まれた言葉でした。
 また、この『進路の指針』にも刻まれていることですが、2021年の3月に卒業した69期の生徒の進路で、今までにない数字が出ました。それは、医歯薬・看護・医療系の学部への、のべ合格者数が100名を超えたということです。コロナ禍にあって、世の中の動きからすると、リスクの高い仕事は避けたいと思うのが多くの人の思いだろうと考えられるのですが、69期生の人たちは、敢えてリスクの高い仕事を目指そうとした。そのことは、非常に尊いことだと思います。学院の教育理念である「独立自彊・社会有為」を体現する人物に近づく意思を持った人たちだと言ってもいいでしょう。
『進路の指針』には、多くの数字が記録されています。数字で表すということは、一般化して抽象化してある集団の傾向や性質を理解するためには優れた手段です。しかしながら、数字を眺めているだけでは、個々の生徒たちの様子や、それぞれの生徒がどんなことを考えてその進路を選んだのかということは理解できません。本多進路部長が様々な工夫をしてまとめられたたくさんのデータから、一人ひとりの先輩の葛藤や努力や悔しさや喜びなどを読み取る眼を持つことで、初めてこの冊子が皆さん自身の「キャリア」を考える指針となり得るのだと思います。この冊子が手あかにまみれるほど読み込んで、有効活用されることを期待しています。