校長ブログ

校長 木内 淳詞 Junji Kiuchi

2021.02.15

両中高70年志が納品されました

 本日午前に、両中高70年志が納品されました。
 正直なところ、やれやれ、という感じで、やっと肩の荷がおりた感じがします。2018年の学院130周年に向けた取り組みが、その5年ほど前から始まり、2020年の両中高の70周年に関する取り組みも5年ほど前から始まって、毎月の初等中等の校園長の会議において進捗の報告をしながら準備を進めてまいりました。この間、編集長の役を引き受けていただいた住谷・元校長には、両中高に関わる資料集めからレイアウト等に至るまで、ほとんどすべての作業の領域をカバーしていただきました。ありがとうございました。
 70周年を迎えた2020年は、様々な予定がほとんどと言ってもいいぐらいキャンセルとなり、苦しい1年でしたが、何年もかけて作ってきた70年志を、このコロナ禍の年度に刊行できたことには大きな意義があると考えます。ひょっとすると、この2020年の取り組みや残された資料が、次回に同様の危機を迎えたときに参考になるかもしれません。
 新型コロナウイルス感染症については、様々な捉え方があるでしょうが、今起こっている変化が急に起こったとは思えません。すでに起こっていて、徐々に変化が進んでいたことが、加速化していったと考えたほうがよさそうです。であるならば、私たちは70年志を一度読んでしまいこんでしまうのではなく、たびたび本棚から取り出して目を通し、「今日」に至るまでに起こったこと、取り組んできたことをふまえて次の一歩を力強く踏み出さねばなりません。70年志の中には両中高の「文化」が詰まっています。今後、困難に立ち向かうときにも、良き文化を大切にし、それを基に危機を乗り越えたということの記録と記憶を、また新たな80年志に書き加えていければと思います。

 文化は無からの創造ではなく、伝統からの創造である。過去を失うものは、未来をも失うだろう。
                                    加藤周一 『夕陽妄語』

 在校生の皆さんには来週の初めにお配りします。