校長ブログ

校長 木内 淳詞 Junji Kiuchi

2020.09.22

NPO法人 Homedoor 理事長の川口加奈さんの本が出版されました

 休みの日に、書店で見つけた川口加奈さんの初めての本です。
 私が追手門学院大手前中・高等学校の校長をしていた時に、生徒のキャリアに関する講演をどなたかにお願いできないかと考えていました。すでに社会的に大成功を収めたような方ではなく、まだお若くて、これからのより良き社会を作るのに悪戦苦闘されている方に来ていただきたい、という思いを私は持っていたのでした。ある方に相談し、候補者を絞っていただいた中から、ぜひこの方に、と私がお願いしたのが川口さんでした。
 Homedoor の事業は、ホームレスの人たちの支援ではありますが、その目的は、ホームレス状態を生み出さない日本にすることです。もちろん、ホームレスの人たちが再び仕事をして、暮らしていけるように支援をしているのですが、それだけではなく、ホームレス状態を生み出している日本の社会の在り方を変えていこうとされているのです。お話を伺うと、ホームレスになってしまう「きっかけ」は様々であり、その程度の「きっかけ」ならば、自分にも起こりうると思えるものもありました。川口さんは、高校時代から活動を始められ、私がお会いした時はまだ20代半ば。それなのにとてもしっかりとされていて、深く多面的に物事を捉え、背筋がシャキッと伸びた感じの素晴らしい方でした。
 私が今でも覚えているのは、川口さんの次のような言葉です。「皆さん、今日は新しいことを知ったと思います。でも、知った限りは責任が生じるということを忘れないでください」。今でも、ドキッとさせられる言葉であり、私の手帳に記してある言葉であります。