校長ブログ

校長 木内 淳詞 Junji Kiuchi

2020.08.03

本校の表現コミュニケーションコースの教育が紹介されました

 Future Edu の竹村詠美さんが『新・エリート教育』という本を出されました。
 竹村さんは、Future Edu という会社で代表理事を務められ、ご自身が実際に訪問された世界の学校の教育の取り組みをこの本の中で紹介されています。昨年度、本校にお越しいただき、アメリカのHigh Tech High をはじめとした世界の教育の動向や、私たちがどんな学校を作っていくべきか、ということについて教員研修を実施していただきました。そのご縁もあり、私たちは昨年度、アメリカのカリフォルニア州の学校視察に行き、サンフランシスコの私立中学校のMillennium School と教育に関する協定を結ぶことができました。残念ながらこのコロナ禍の影響で、今年度予定されていた取り組みは次年度以降に持ち越しとなっています。 
 タイトルに「エリート」という言葉があると、少し抵抗を感じる方もいらっしゃるでしょう。本の中で、竹村さんは、エリートという言葉を再定義されています。この本の中では、「クリエイティブ・リーダー」と表現されている人のことを指していますが、その人について以下のように説明されています。「自らの得意分野や個性を磨き、存在しない世界を妄想して、各国の仲間と協働しながらのびやかに新しい価値を生み出す創造性にあふれたリーダーシップを発揮する人」。もう少し、竹村さんの言葉を引用しておきます。

 そうしたクリエイティブ・リーダーシップを発揮できる力を身につけるために有効なアプローチが、本書でこれから紹介する、1人ひとりの興味に合わせて心身頭(ハートボディーマインド)を統合的にバランスよく育む「ホール・チャイルド・アプローチ (Whole child approach) という学びの考え方である。

 しかし、変化が激しいグローバルな時代に求められるクリエイティブ・リーダーの資質やスキルは、限られた教科のテストで良い点を取る学力だけでは育たないことは言うまでもない。またこれから、従来型の学校が抱えるジレンマが一気に露呈するだろうことも容易に想像がつく。
 教科で分断した教育の成果を、単元の履修やテストの点数という狭い範疇の学力や認知能力にフォーカスしすぎると、2020年から施行された新学習指導要領で提唱されている「主体的・対話的で深い学び」からは遠ざかる。なぜなら「主体的・対話的で深い学び」に達するには、豊かな人格や態度、価値観などのいわゆる非認知能力の育成を必要とするからだ。

 本校の表現コミュニケーションコースの教育の取り組みが、上に示されたクリエイティブ・リーダーを育むための教育が必要とする条件を備えていると評価されたということです。
 これ以上、細かな部分までご紹介はできないのですが、ぜひ本校の教育に関心をお持ちいただき、また、竹村さんの本を保護者の皆さまにもお読みいただけますと幸いです。