校長ブログ

校長 木内 淳詞 Junji Kiuchi

2020.07.18

今後の世界を生きていくために2

 4月25日付のブログに、「今後の世界を生きていくために」というタイトルで文章を投稿しました。今まさに、そこで書いたことが問われているのではないでしょうか。3か月近く前に書いたことですが、よろしければ、そちらもお読みください。
 ここでは、4月25日付のブログで引用したユヴァル・ノア・ハラリ氏のインタビュー記事を再度引用しておきます。

 悪い変化も起きます。我々にとって最大の敵はウイルスではない。敵は心の中にある悪魔です。憎しみ、強欲さ、無知。この悪魔に心を乗っ取られると、人々は互いを憎み合い、感染をめぐって外国人や少数者を非難し始める。これを機に金もうけを狙うビジネスがはびこり、無知によってばかげた陰謀論を信じるようになる。これらが最大の危険です。

 今週に入って東京では新型コロナウイルスの新規感染者数が1日につき300名近くを数えるようになり、大阪においても60名以上という日がありました。また、府内の学校においても感染者が出ており、感染者の中で感染経路不明という人が多いことを考えると、いくら用心していても私たちの身近なところで感染者が出る可能性が極めて高くなっていると判断してもいいでしょう。もちろん、本校では今までと同様に手指消毒の徹底、机や椅子の消毒の徹底、サーモグラフィーによる体温確認、「密」を避ける工夫等を継続して実施してまいりますが、仮に感染者が出た場合にも、冷静に対処していきたいと考えています。「誰だ、誰だ」、と「犯人探し」をしたり、心ない言葉を発して友達を深く傷つけたり、それを見聞きしていた人たちにも負のムードを広げたり、という行為は厳に慎むべきです。それらは、「独立自彊・社会有為」の理念に完全に反する行為です。
 以前のブログに書きました通り、私たちは強い面と弱い面の両方を持っています。目に見えない恐怖に怯えて他者に対して攻撃的になるのは私たちの弱さです。感情的になり、攻撃的になると、人は孤立していきます。孤立することから新型コロナウイルス感染症の問題を乗り切る解決策は生まれません。つながることで乗り切りたいと思います。保護者の皆さまのご協力も、よろしくお願いいたします。