校長ブログ

校長 木内 淳詞 Junji Kiuchi

2020.05.13

父と珈琲

 日差しはまさに夏のそれですね。本校の人工芝グラウンドもまぶしそうですが、肝心の生徒の姿はまだありません。
 新型コロナウイルス感染症も、少しずつではありますが、新たな感染者数が少なくなってきました。
 先日、「私学マネジメント協会」よりメールをいただき、「私学マネジメントニュース」の中にこのような記事が掲載されていました。 

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために行われている在宅勤務や学校の休校といった措置が、家庭にどのような変化を与えているか、京都大学などの研究グループが調査を行った。京都大学の落合恵美子教授らの研究グループは、自分や家族が在宅勤務になった男女合わせて300人余りを対象に、先月、インターネットでアンケートを行い、家事や育児の量とその分担、在宅勤務になってよかったことなどについて、自由記述で回答を求めた。
 その結果、家事や育児の量が増えたと答えたのは、男性が約20%だったのに対し女性は約35%。このうち、子どものいる女性では40%余りに上っていて、「夫に加え、子ども2人がずっといるので、食事、間食、片づけと心が休まらない」といった声が寄せられた。一方、在宅勤務になってよかった点については、通勤時間がなくなったことが全体のおよそ30%で最も多くなり、子どもがいる人では家族関係の改善が40%余りと最も多くなった。
 休校中の子どもにとっても休校期間が延びることは大きなストレスとなっていることは指摘されているが、この調査でわかったことと同様にその中でもよかったこともあると考えられる。学校の対応としては、子どものストレスケアと同時にプラスの側面にも焦点を当てたコミュニケーションも重要になるかもしれない。

 お父さんやお母さんが在宅勤務になって、大変ではあるけれど、今まであまりなかった家族そろっての夕ご飯の機会が増えたり、お子さんとの会話の機会が増えたりというようなことは、このしんどい期間の中でプラス要素としてカウントできるものでしょう。もちろん、様々なご家庭の状況がありますので、すべてのご家庭で、というわけにはいかないでしょうけれど。
 
 私はこの記事を読んでいて、亡くなった自分の父のことを思い出しました。父は珈琲が好きで、いつも夜にお気に入りの店で買ってきた珈琲を淹れてくれました。時には、せっかく勉強の調子が上がってきたタイミングで「珈琲淹れたぞ」と声がかかって、ありがた迷惑に思うこともありました。しかし、今から思うと、その時間に父とは様々な話ができ、少なからず今の私にその影響を及ぼしていることもあります。
 また、私が常に読書をするようになったのも父の影響です。常に読書をしている父の姿を見て、私も自然と読書をするようになりました。子どもに勉強するように、読書をするように言うよりも、自分がその姿を見せることで子どもが興味を持つようになることもあるのだと思います。今から思うと、典型的な「親ばか」で、恥ずかしくなることもあるのですが、「あの時」の時間の記憶を大切にして生きていきたいと考えています。今まであまりこんなことは考えなかったんですけどね。

 下のリンクは、私学マネジメントニュースの中で伝えられている京都大学などの調査に関する報道です。