校長ブログ

校長 木内 淳詞 Junji Kiuchi

2020.05.09

学校再開に向けて

『先生も大変なんです』という本を書店で見かけて購入しました。公立の小学校・中学校にお勤めの先生が書いておられるので、私たちのような私立の学校とは少し制度が異なる面がありますが、確かに学校の様子をよく観察・考察して書いておられるなあ、と感心しました。
 世の中からはなかなか見えにくく、理解しにくい学校の中での教員の働き方と仕事に対する考え方など、よくまとめておられるし、一つの捉え方・考え方として、校長として参考にしたいと思いました。

 さて、この本のタイトルではありませんが、生徒諸君も大変な日々を送られているでしょうが、本校の先生方も、毎日奮闘しております。正しくは、『生徒も、保護者も、先生も大変なんです』といったところでしょうか。生徒のことはともかく、先生方が自ら、「一生懸命やってるぞ、大変だぞ」、とアピールするのはおかしな話なのですが、せめて校長である私からは、先生方が日々奮闘していることを、生徒の皆さんに伝えておきたく思います。こちらも頑張ってるぞ、と。YouTuberとして仕事をしているわけではない先生であっても、動画を作り配信して、少しでも生徒の力をつけてあげたい、という一心で頑張っているのはある意味当然のことです。しかし、そこには通常の授業準備の何倍も時間と労力がかかります。また、生徒の皆さんと、コンピュータの画面越しにリアルタイムでコミュニケーションを図り、メンタル面でのケアを図ろうとしても、100%理解しあえる状況ではありません。話し終えた後にもちょっとした不安が残って、気になって仕方がありません。皆さんの側からしても、学校の側からしても、パーフェクトな取り組みにはなっておらず、ちょっとした不安や不満が積み重なってくる時期であるかもしれませんね。しかし、その不安や不満は何もしなかったことが原因ではなく、何かをしたことから来るものであるということを理解しておかねばなりません。私は常々、Fail  early, fail often, but always fail forward. (早く失敗して、多く失敗しなさい。しかし、常に前向きに失敗しなさい。)という John C. Maxwell の言葉を引用して、先生方にチャレンジすること、しかも早くチャレンジして失敗して、修正するということを説いています。生徒の皆さんにも、ぜひ記憶に留めておいてほしい言葉です。早くやったからこそ、うまくいかないことに気づいて、それをすぐに修正することができる。何もチャレンジしない、チャレンジしても、外圧によってしかしないという個人や組織には、成長する材料が与えられません。
 
 幸い、大阪やその他の地域においても、新たに感染者として報告される人の人数は、かなり減少してきており、本校もまずは週1回程度の登校日を設けて、学校再開の準備をしようとしています。中1・高1の皆さんには、簡単な入学式に代わる時間を持ちたいと考えています。ただ、それはあくまで皆さんのメンタル面でのケアが中心であり、感染リスクがゼロではない状況下であえて動き始める理由は、そこにあります。授業については、引き続き、時間割が組まれているオンラインでの取り組みを継続させます。今、学校再開に向けてのメッセージ動画を作成していますので、登下校の際に皆さんに協力してほしいことも伝えています。そちらもご覧ください。再開に向けての準備は、生徒の皆さんの側でのものと、学校が進めていくものの、双方向での動きが大切だと考えます。お互いにしっかりと準備を進めてまいりましょう。