TEACHER

2021.01.02UP

【先生コラム】2021年に必要な教育

池谷陽平 探究科

TEACHER

あけましておめでとう

今年もよろしくお願いいたします!

新型コロナウィルス感染症が私たちの生活にもたらした変化、それは身体的、精神的、倫理的、方法論的、とあらゆるものでした。その度に「決断」や「判断」が求められ、価値観が揺さぶられては変わったり、戻ったり。昨年「探究科」を立ち上げ新たな挑戦を始めた私たちにとっても、人、学校、教育について考えさせられた1年となりました。明治維新以来といわれる教育改革が進む中、その具体はまだまだ見えません。1つの答えを示すのも私たちのミッション。2021年に必要な教育は、「決断力」「判断力」を正しく育むことで決まり!

どんな世界が待ち受けているのだろう

「決断力」と「判断力」

さまざまな選択肢から決断することは、選択することに近いかもしれません。決断する新しい選択肢を創造することも「決断力」の1部と捉えることもできますね。その決断が正しかったのか、真実なのか自分に問いかけ判断する力が「判断力」でしょうか。これを繰り返すことで育まれる力だと考えます。簡単に言ってしまいましたが、そのプロセスは複雑で、判断基準も人によってまちまち。人によって違っていい前提を作るのも教育の仕事かな。昨年の実践から確信した「決断力」「判断力」を正しく育むための要素を紹介します。

Creativity

創造性。あらゆる感覚に意識的になり、何に対して自分はどう感じるのか、知覚から自分を知ること。それを自分にしかできない方法で表現、創造しながら自分を選択し、判断していくようです。表現媒体としてアートを用いることで、生徒たちの創造性は広がっていく実感がありました。

Collaboration

ことある度にペアやグループで、ブレインストーミング、シェア、フィードバック。人のアイデアは確実に自らの創造性をブーストする。フィードバック相手がいることはもはや必須。相手を「判断」するのではなく、土俵に上がったアイデアや作品にフィードバックをすることで、相手が自分を決断、判断する大事な素材を提供することになります。

Critical Thinking

的を射るための思考。あらゆる選択肢を、可能性ある限りの選択肢を広げていきます。創造性とともに。それを分析的に思考し、これだ!!!を見つけ決断すること。この決断をリフレクションし判断基準を更新していくことが、実は鍵を握っています。

Communication

自分だけじゃないと思うこと。安全、安心であること。考えが幼いほど簡単に差別的になってしまいます。間接的に誰かを傷つけてしまうこともありますよね。自分を知れば知るほど他者との距離も生まれます。それが人との関わり方を考えるきっかけになり、想像する力へと。人のことなんて想像しても想像しきれるもんじゃない。でも人に思いを馳せる優しさが、最終的には正しい判断へと導いてくれます。

それぞれの色がある

今、自分の責任はどこに。

やっぱり始まりはCreativityな気がしますね。これをちゃんとやるかどうかが、人によって違っていい前提を作ることができるかどうかに根ざしていると思います。「井の中の蛙大海を知らず」とは言いますが、まずは井の中をちゃんと知って、自分の広げる世界は池なのか湖、海なのか、自分で判断、決断してほしい。そうやって自分で広げた世界には責任感さえ生まれます。2021年にはより必要になるような気がします。これ以上被害者を増やさないためにも、新しい世界を共創するためにも。

今回は表面をなぞった形になってしまいましたが、実践したことによって現実になったことです。今後、実践例を交えながら、もう少し詳しくお話しさせていただきますので、ぜひ読んでくださいね。

私たいそんは、責任ある決断は所属の中で生まれることがほとんどでした。自分のやりたいこと、やるべきことはたくさんありますが、今自分の責任はどこにあるのか、ちゃんと見つめた上で2021年の決断を下したいと思います。では!

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