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探究科 池谷陽平

SCROLL

TEACHER

2020.07.29UP

忙しい毎日を送る生徒たちに必要な“DRIVE”のマインドセットを、探究の授業で。

池谷陽平 探究科

  • 出身

    大阪府箕面市

  • お気に入り

    INCUBUS

  • 授業でもっとも大切にしていること

    即興性

Theme1

大切な学びを、学校の中へ。
振り返り、自分を知るために。

僕は今、探究科の主任として、コアメンバーである5人の先生の意見をもらいながら、授業の内容を決める立場にあります。その方法は、まず僕が大枠のカタチやテーマを提案して、他の5人とブレストをする。その中で最良なアウトプットのカタチを決めていきます。アウトプットというのは、つまり「授業の中で、何をどう表現するか」ということ。その表現方法は、例えば自分の価値観を図鑑にしてみたり、1週間で出たゴミをすべて洗って、それで何かを作ったりといったプロジェクトのアイデアから、レゴブロックを自由にひとつ選び、それを用いて今の自分の状態を言語化する、感情を写真に収めてみるなど、本当に多種多様。どういったものでもいいのですが、探究科で設定された「4C」、つまり「クリティカル・シンキング・スキル」「クリエイティブ・シンキング・スキル」「コラボレーション・スキル」「コミュニケーション・スキル」というスキルセットを用いる必要があり、またどれかが養えるものである必要があります。

そもそも今の生徒たちは、とても忙しい毎日を送っています。朝から夕方まで授業をして、そこから部活をする。帰宅後、夕飯をとって、お風呂に入り、宿題が終わったら、もう寝る時間です。そうすると、例えばゲームが好きな子や読書が好きな子たちが自分の時間をつくるためには、寝る時間を削るしかなくなってしまう。当然、1日を振り返ってみたり、「自分ってどういうもの?」と考えを巡らせたりする時間などありません。しかし探究科が実践していく『経験学習』というのは、自分が体感・実感した価値を、振り返らなければなんの意味も持たないもの。だからこそ、授業の最後に「今日やったことをどう思ったか」を考えて、丁寧に書かせる『リフレクション』の時間を必ず設けています。

また、生徒たちは、大人になる上で大切なことの多くを、例えば自分が好きなタレントやミュージシャン、アスリートたちの言葉や生き方、また学校外で自分が頑張っていることなどから学びます。そうなると「学校って何?」という疑問が生まれてしまう。我が校の探究科には、その大切な学びを、学校の中に持ってくるというコンセプトがあります。授業で取り組むプロジェクトをチームのメンバーとともに進めていく中で「自分自身に気づく」「集団で取り組むことで、自分が見えてくる」「実社会とつなげることで、今の自分が見えてくる」といった観点から、本当に価値のある経験を積ませてあげたいですね。

大人になる上で大切な学びを
学校の中に持ってくることで、
本当に価値のある経験を積ませたい。

Theme2

重要なのは、知識の“手前”の部分。
それを養い、学習の効果も最大化する。

今の教育の現場では、知識を優先しすぎた結果として、学習プロセスの順番が逆になってしまっています。例えば、まず歴史上の人物をひとり選んで、その人のことを調べてみよう。そして、そこに自分に当てはめてみよう、といったプログラムが見られます。しかし生徒たちにとって最も重要なのは、知識そのものではなく、「知ろう」とする姿勢に他なりません。それはまさに、探究科が掲げている「O-DRIVE」の「R=Reflection」と「I=Inquiry」の部分です。つまり「振り返ろう」とする姿勢と、「知ろう」とする姿勢。それを何より大切に考えたいですね。その2つに、「D=Design」「V=Vision」「E=Empathy」を加えた「D・R・I・V・E」のマインドセットがないと、無数にある知識の中から、自分にとって必要なものはどれか、また、自分が本当にほしいものがどれかは判断できない。そんな状態で知識を入れようとしても、絶対に覚えられないし、なんの意味もありません。だからこそ、何かを知ろうとするプロセスで得られる生きた知識の獲得を優先することが大切なんです。そうすると、自分でより多くの知識を取るようになると思うんですよね。受験に必要な知識もその一部。だから知識を入れるのは最後でいいんです。

そこで僕が探究の授業に取り入れたいのが、『アート的手法』です。『クリエイティブ思考』とも似た部分で、例えば当たり前とされるものを疑うことで生まれる自分の価値観と現実とのギャップなど、“自分の内面にあるもの”を、表現したり言語化したりするというもの。これは日本の教育現場では圧倒的に弱い部分です。それをやりながら、知識を入れる“手前”の部分を、探究科の授業で養っていきたい。そこを担うことができれば、生徒たちが自分の未来に対してポジティブに考えることができると同時に、国語や数学といった受験に必要な教科の「学ぶ意味」に気づくこともできるので、学習の効果も最大化されます。結果的には、希望進路の実現にも貢献できるはずなんです。そこまで結果が連鎖していければ、一番いいですね。

「振り返ろう」とする姿勢と、
「知ろう」とする姿勢。
それを何より大切に考えたい。

PAST 過去

泣き虫、弱虫、ビビリ。何やってもダメでしたねー。女子に雑巾で叩かれて泣く、マラソン大会も途中離脱、あらゆるものが怖い。一人で何もできなかったです。小中学校あたりで「The普通」のレッテルを貼られ、それから抜け出せずにいました。

PRESENT 現在

2020.06.18

FUTURE 未来

流れに乗ってきた人生なので、流れを作れるような人生になっているといいですね。やりたいことはやっていると思います!

FAVORITES

『Make Yourself』/ Incubus

青春時代に1番聴いたアルバム。アルバム内の”DRIVE”が今の自分にも影響を与え続けています。

MY ITEM

ネタ帳とペン

子どもにもらったアイロンビーズを貼り付けたノートと、SFMOMAで一目惚れしたペン。中身は自分のリフレクションそのもの。

VOICE

01

教育業界のココを変えたい!

輪切り。ジャッジしない学びの環境をベースに。

02

追手門学院中・高等学校にコレを導入したい!

「探究を導入したい!」が叶いました(笑)。お祭りしたいですね。

03

生徒や保護者のみなさまに言いたい!

大人が限界を作るのは、もうやめましょう。

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